インタビュー
Interview-
Q 1
以前の仕事について教えてください。
民間から行政機関へ。栄養士は多種多様なステージで活躍できるのを知りました。
前々職は小野マルタマフーズで勤務していました。最初はパートで、そのまま社員となり、献立作成や新人教育を中心に、最後は急性期の病院の現場責任者を務めるまでになったのです。家庭の事情で退職し行政機関、兵庫県政令市から委託を受けていた公益財団法人へ転職しました。業務は、特定検診を受けられた方への保健指導や、市民の方への検診結果の説明、生活習慣病などの重症化予防教室や料理教室の運営といった市民向けの講座をメインに担当。保健指導では、辛辣な言葉を投げかけられ、心が折れそうになりそうなときもありましたが、「指導して帰ってもらうことが目的」というのを忘れずに取り組んだことを覚えています。企業を訪問し、健康教室の講師を務めたこともありました。大勢の人の前、最初は40人くらいでも緊張していましたが、最終的には100人くらいを前にしても平気になり、場慣れすることの大切さと、自身の成長を実感したものです。
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Q 2
再びマルタマフーズで働くことになった経緯は?
内、外、内。私だけが持つ眼差しを活かして会社を変えるべく始動。
2021年3月、現上司とお会いした際、「60周年を迎えた会社は変革期。中だけではなく、外からの視点も持った人を探している」と転職を打診されました。当時勤めていた行政機関で正社員としてやりがいを持って取り組んでいたため、正直とても迷ったものの、これも何かの縁とお受けすることにしたのです。身をもって現場の厳しさを知っている私だからできることがある、栄養士が生き生きと働ける会社づくりに貢献したい、という心境でした。入社後にまず着手したのは、会社の将来を見据え、これまで各現場に合わせて提供していた食形態をマルタマフーズで一本化する必要があると考え、その取りまとめの準備をしています。2020年、食品成分表の基準変更に伴う、献立作成ソフトの移行準備も同時に進めています。2022年から取り組むのはフレイル予防です。健常から要介護へ移行する中間の段階と言われるフレイル。適度な運動やバランスのよい食事などによるフレイル予防のとりくみをマルタマフーズは始めています。私自身は前職での経験を活かせますし、マルタマフーズの栄養士にとっても、給食業界の給食にしか携わらないのではなく、栄養指導の場や、人材教育の場に立つ機会を増やし、それをモチベーションアップにつなげてもらえればと思っています。
※フレイル予防は財団法人、施設、地域などいろいろなところと連携して取り組んでいます。 -
Q 3
目標について教えてください。
少しずつ新しい事業を展開。自分らしく、しなやかに働ける会社へ。
会社が培ってきたものを固めていくのと合わせて、新しい事業も展開していきたいです。小野マルタマフーズ時代、順調に成長し管理栄養士の資格も取得して、さぁこれからと期待していた人が、「栄養指導がしたい」と転職するケースに何度も遭遇しました。マルタマフーズで栄養士のすべての仕事に携われれば、成長志向、年齢、結婚・出産・育児といったライフステージなどに合わせて柔軟に働き方を変えられて、そうした事態を減らせると考えています。私自身、40代は後進の指導が中心で、現場と比べて負担を軽減できました。若手栄養士にも、若いうちに現場経験を積み、キャリアを重ねたら経験を活かして指導する立場になれる環境にしていきたいです。高齢化が進んでいる現場の負担軽減にも努める必要があります。食材の下処理や、ミキサー調理は数が多いと想像以上にハードです。従来のように現地ですべて調理し、お出しするというのは近い将来立ち行かなくなるでしょう。まずは完全調理済み食品やえんげ食の開発をさらに進め、他社商品も活用しながら厨房業務の軽減を図っています。いくつになっても栄養士として活躍できる会社づくり、いくつになっても安全な食事を提供しつづけられる現場づくりを、外に出て戻って来た私だから見える視点で進めていきます。